「iDeCoを始めようと思ったら、上限が12,000円しかない…」
そう感じた公務員・教員・保育士の方、多いんじゃないでしょうか。
会社員の友人が「iDeCoで毎月23,000円積み立ててる」と言っているのを聞いて、なんか損してる気分になりますよね。わかります。
はじめまして、けまりといいます。30代のサラリーマンで、2015年に貯金ゼロの状態から資産運用をスタートし、現在は2,700万円(うち利益1,200万円)を運用中です。FP(ファイナンシャルプランナー)の知識を活かして、お金まわりの情報を発信しています。
今回は「公務員・保育士のiDeCo上限問題」について、具体的な数字と解決策をまとめました。
なぜ公務員のiDeCo上限は12,000円なのか
まず前提として、iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛け金上限は職業によって違います。
| 職業 | 月額上限 |
|---|---|
| 自営業者 | 68,000円 |
| 会社員(企業年金なし) | 23,000円 |
| 会社員(企業年金あり) | 12,000〜20,000円 |
| 公務員・教員・保育士 | 12,000円 |
| 専業主婦(夫) | 23,000円 |
公務員が12,000円に抑えられている理由は、「共済年金」と「退職等年金給付」という上乗せ制度がすでにあるからです。
公務員は厚生年金に加えて、共済組合による手厚い年金制度が整備されています。国が「あなたたちはすでに老後の備えが手厚いんだから、iDeCoの枠は小さくていいよね」と判断した結果が、この12,000円という上限です。
制度の設計上は理にかなっているのですが、「節税したい」という視点で見ると、会社員との差が地味に痛い。
12,000円上限だと、どれだけ節税機会を逃すのか
具体的に計算してみましょう。
iDeCoの最大のメリットは掛け金が全額所得控除になることです。所得税と住民税が節税できます。
年収500万円のケース(所得税率20%、住民税10%)で比較します。
| 区分 | 年間掛金 | 年間節税額 |
|---|---|---|
| 会社員(月23,000円) | 276,000円 | 82,800円 |
| 公務員(月12,000円) | 144,000円 | 43,200円 |
| 差額 | 132,000円 | 39,600円 |
差額は年間39,600円。10年で約40万円の節税機会を逃している計算です。
「上限が低いから仕方ない」で終わらせるには、ちょっともったいない金額ですよね。ではこの差を埋めるにはどうするか。解決策は5つあります。
解決策①:NISAを最大限に使う
iDeCoの不足分は、NISA(少額投資非課税制度)で補いましょう。
2024年からの新NISAは、年間360万円・生涯1,800万円まで非課税で投資できます。iDeCoとは別枠なので、両方フル活用できます。
iDeCoで節税しながら老後資金を積み立て、NISAで運用益を非課税にしながら中長期の資産を増やす。この組み合わせが公務員の資産形成の基本戦略です。
私自身も、iDeCoとNISAを軸に資産を積み上げてきました。貯金ゼロから2,700万円になった最大の要因は、この2つの制度を「使い倒した」ことにあります。
▶ 関連記事:NISAとiDeCo、副業できない人はどっちを先にやるべきか
解決策②:ふるさと納税で節税する
「iDeCoの上限が低い=課税所得が多く残る」ということは、裏を返すとふるさと納税の上限額が高くなるということです。
ふるさと納税の控除上限は、課税所得が高いほど上がります。iDeCoで控除しきれなかった分が課税所得として残るため、ふるさと納税でより多くの寄付控除を受けられる余地が生まれます。
年収500万円の場合、ふるさと納税の目安上限は約6万円前後。「お得な返礼品」をもらいながら節税できる、公務員ならではの活用法です。
▶ 関連記事:ふるさと納税、手取りが少ない人こそやるべき理由
解決策③:iDeCoとNISAの組み合わせ方
新NISAには「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」の2種類があります。公務員におすすめの組み合わせはこちらです。
| 制度 | 目的 | 月額目安 |
|---|---|---|
| iDeCo | 老後資金 + 所得控除(節税) | 12,000円(上限) |
| つみたて投資枠 | 中長期の資産形成(非課税) | 50,000〜100,000円 |
| 成長投資枠 | 余剰資金で個別株・ETF | 余裕資金で |
iDeCoは60歳まで引き出せない縛りがある代わりに節税効果が高く、NISAはいつでも引き出せる柔軟性があります。両方の特性を理解して使い分けるのが鉄則です。
解決策④:生命保険料控除を活用する
意外と見落とされがちなのが、生命保険料控除です。
生命保険・介護医療保険・個人年金保険のそれぞれで、年間最大4万円(住民税は2.8万円)の控除が受けられます。3種類合計で最大12万円の所得控除が可能です。
iDeCoの節税額が会社員より少ない分、他の控除でカバーする発想が大切。保険を「保障のためだけ」と考えず、「節税ツールのひとつ」として見直してみてください。
解決策⑤:退職金の受け取り設計まで考える
公務員の退職金は民間企業より手厚い傾向があります。その退職金に対する課税をどう最小化するかも重要なポイントです。
退職所得には「退職所得控除」という大きな非課税枠があります。勤続年数20年超の場合、800万円+70万円×(勤続年数-20年)が非課税になります。
ただし、iDeCoの一時金受け取りと退職金は同じ「退職所得控除」枠を共有するため、受け取り時期の設計が必要になります。
▶ 関連記事:公務員・保育士の退職金、実は思ったより少ない話
まとめ:12,000円の上限は「ハンデ」じゃない
公務員のiDeCo上限12,000円は、確かに会社員より低い。でも、それを嘆いて何もしないのがいちばんもったいない。
- iDeCoでできる節税はやりきる
- NISAで運用益を非課税にする
- ふるさと納税で課税所得を削る
- 保険料控除も組み合わせる
- 退職金の受け取り設計まで考える
この5つをセットで考えると、会社員との差はかなり埋まります。私が貯金ゼロから2,700万円を作れたのも、こうした「使える制度を全部使う」姿勢があったからだと思っています。
よくある質問
Q. 公務員のiDeCoは月12,000円しか積み立てできないのですか?
2024年12月以降は月20,000円への引き上げが予定されています(法改正施行が前提)。ただし現時点では月12,000円が上限のため、NISAや他の控除を組み合わせる戦略が重要です。
Q. iDeCoは公務員にとってメリットが少ないですか?
そんなことはありません。月12,000円でも年間43,200円の節税になります(年収500万円・所得税20%・住民税10%の場合)。30年積み立てれば節税額だけで100万円超になります。
Q. NISAとiDeCo、どちらを先に始めるべきですか?
副業できない方にはiDeCoを先にすることをおすすめしています。理由と具体的な順番はこちらの記事で詳しく解説しています。
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