「最近、仮想通貨がすごくうまくいっているの。まだ誰も知らない情報があって、必ず値上がりするから、買っておいた方がいいよ」
そのメッセージを読んで、私は少し笑った。
ああ、これは詐欺だな。
でも、同時にこうも思っていた。仮想通貨自体は、別に詐欺じゃない。
結論から言う。台湾人女性に近づかれ、詐欺と気づきながらも、自分の判断でビットコインを100万円買った。それが今、含み益500万円になっている。
これは、詐欺師に感謝している話ではない。「余裕資金」と「長期保有」がいかに大事か、身をもって学んだ話だ。
HelloTalkで台湾人女性から突然メッセージが来た
事の始まりは2022年頃、英語の勉強のためにHelloTalkというSNSアプリを使っていたときだ。
HelloTalkは外国語話者と繋がれるアプリで、ネイティブと会話練習ができる。私も英語力を上げたくて登録していた。
あるとき、向こうから「英語を教えてほしい」とメッセージが来た。相手は台湾人の女性だという。プロフィール写真はきれいな人だった。
正直に言う。「そんな簡単に、台湾の美女がむこうから近づいてきたりしない」と、頭の片隅では思っていた。ただ、英語の練習になるならと、とりあえず相手をすることにした。
しばらくアプリ内でやりとりが続いた後、「LINEに移行しない?」という提案が来た。よくあるパターンだ。
LINE交換後は、毎日のようにメッセージが届いた。日常の話、料理の写真、「今日は疲れたね」みたいな他愛ない内容。気がつくと、メッセージが来るのを待つようになっていた。
仮想通貨を勧められた。でも「詐欺」とは気づかなかった
ある日、こんなLINEが来た。
「最近、仮想通貨がすごくうまくいっている。まだ世に出ていない情報なんだけど、必ず値上がりするから買った方がいいよ」
若干怪しいとは思った。でも当時の私の認識は「ただビットコインを買うだけなら、それ自体は詐欺じゃない」だった。詐欺というのは「お金を騙し取られること」だと思っていたので、自分の口座でBTCを買うだけなら損はしないと判断した。
そこで、初めてBTCのチャートを真剣に見た。
当時はコロナショック後の下落期が続いており、まだ誰も注目していなかった時期だった。ただ、2024年に半減期を控えており、徐々に注目を集め始めていた。半減期とは、ビットコインの採掘報酬が半分になるイベントで、過去の例では毎回大幅な価格上昇が起きている。
「面白いかもしれない」と思い、もともとNISAに入れるつもりだった資金の一部、100万円でBTCを買ってみた。
「ピッグ・ブッチャリング詐欺」と気づいた瞬間
しばらくして、今度は「イーサリアムも買った方がいい」とLINEが来た。
「もうBTCを買ったし…」と思いつつ、「買ったよ、10万円だけど」と返した。
するとすぐに「どこの取引所?」と聞いてきた。ビットフライヤーと答えると、こんな返事が来た。
「そこはリスクが高い。○○という取引所に送金した方がいい」
ここでピンときた。
これが詐欺の核心だ。自分の口座で仮想通貨を買わせ、信頼を積んでから「別の場所に移せ」と言ってくる。移した先の「取引所」は詐欺師が管理する偽サイトで、一度送ったら二度と返ってこない。
これは「ピッグ・ブッチャリング詐欺(Pig butchering scam)」と呼ばれる手口だ。豚を太らせてから屠殺するように、被害者を時間をかけて信頼させてから一気に騙し取る。消費者庁の2024年報告によれば、この手口による被害額は日本だけで年間数十億円規模とされている。
私はすぐにスパム報告してブロックした。LINEも削除した。
手元に残ったのは100万円分のビットコインだった
詐欺は未遂に終わった。でも、手元にはBTCが残った。
最初は1日で1〜2万円の価格変動に一喜一憂していた。「-5万円」と表示されるたびに気持ちが沈んだ。「早まったか」とも思った。
でも、生活費から出した資金じゃなかったから、売れなかった。正確に言えば、「売らなくても困らなかった」から、売らなかった。
その後、こんな出来事が重なった。
- 2024年1月:ブラックロックがビットコインETFを承認、機関投資家が大量流入
- 2024年4月:半減期到来、供給量が減少
- 2024年11月:トランプ大統領当選、暗号資産友好政策への期待から急騰
一時、含み益は+560万円まで膨らんだ。100万円が660万円になっていた。

現在は若干調整して、含み益は約+400万円。100万円の投資が500万円になっている。
下のグラフが、実際の取引所に表示されているBTC損益の推移だ(2023年1月購入〜2025年10月時点)。

この体験から学んだ3つのこと
① 余裕資金でしか投資するな
「もし生活費から出した100万円だったら、最初の-5万円で売っていた」と断言できる。
BTCは値動きが激しい。日々±10%動くことも珍しくない。生活に必要なお金が含まれていたら、精神的に持ちこたえられない。
投資の世界では「亡くなった投資家が最も高いリターンを得ている」という冗談がある。売ることを忘れていた人が、長期保有によって最大の恩恵を受けるという意味だ。これは笑えない真実だと思う。
「無くなっても生活に支障がない額」だけを投資する。これが鉄則だ。
② 売り時は自分で決めておく
私は「+5,000万円になったら売る」と決めている。まだその水準には遠いが、目標を決めておくことで感情的な判断を防げる。
「+500万で売ればよかった」「+1000万で売ればよかった」と後悔する人をXで何人も見た。売り時を決めずに持ち続けると、上がっても下がっても後悔する。
目標を決めて、あとは忘れる。それができる人間だけが長期投資で勝てる。
③ 台湾の美女が向こうから来ることはない
これが最大の教訓だ(笑)。
SNSで「プロフィール写真がきれいな外国人」から唐突にメッセージが来たら、まず疑え。これは人種差別でも偏見でもなく、統計的な事実だ。この手口の詐欺は2022〜2024年にかけて爆発的に増えており、被害者の多くは「まさか自分が」と思っている。
パターンの特徴:
- 向こうからメッセージを送ってくる
- すぐにLINEやWhatsAppへの移行を求める
- 毎日連絡し、徐々に親密になる
- 「投資でうまくいっている」という話になる
- 「別の取引所に送金して」と言ってくる
最後の「別の取引所への送金」が詐欺の核心だ。ここで止まれば被害ゼロ。
よくある疑問
Q. ビットコインはもう遅い?
「まだ買うべきか」は永遠の問いだ。ただ、私が思うのは「5年後の自分が今の価格を安いと思うかどうか」で判断するということ。BTCの発行上限は2,100万枚。年々機関投資家が増え、現物ETFも承認された。需要が増えても供給は増えない構造は変わっていない。
「遅い」かどうかは、10年後にしかわからない。
Q. NISAに入れるはずだったお金を使って後悔しない?
後悔はしていない。私の場合、NISA枠はその後の給与から積み立てていった。BTCはNISAでは買えないので、ポートフォリオの分散という意味でも悪くない判断だったと思っている。
ただし、NISAよりBTCを優先するべきとは言っていない。NISAは非課税枠という制度的なメリットがある。私の場合はたまたまこうなっただけだ。
Q. 詐欺師に怒りはないの?
正直、怒りよりも「おかげでBTCを買う気になった」という気持ちの方が大きい。もし詐欺師が近づいてこなければ、私はBTCをチャートすら見ていなかったと思う。
もちろん、騙されて全財産を失った人には当てはまらない。私は被害ゼロで済んだから言える話だ。詐欺そのものは許されない。
まとめ:詐欺未遂が教えてくれたこと
台湾美女に近づかれ → 詐欺と気づき → BTCだけ手元に残った → 含み益500万。
笑える話だが、これが本当にあった話だ。
この体験が教えてくれたのは「余裕資金で投資すれば、感情に流されずに長期保有できる」という当たり前のことだった。
副業ができない公務員・保育士・介護士の方は、毎月の給与から少しずつ積み立てて、「生活に影響しない余裕資金」を作ることが先決だ。その額が積み上がったとき、初めて「長期保有」という武器が使えるようになる。
高配当株やインデックス投資と同じく、仮想通貨も「余裕資金×長期保有」が基本だ。
そして最後にもう一度。見知らぬ美女が向こうから近づいてきたら、まず疑え。これだけ覚えて帰ってほしい。
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