給料日の前夜、スマホを手に取りながら、口座アプリを開けなかった。
画面の向こうに何が待っているかわかっていたから。「見なければ、まだ現実じゃない」——28歳の私は、本気でそう思っていた。
2015年、社会人5年目。貯金はほぼゼロ。「なんとかなるだろ」と言い聞かせ続けた5年間の末に待っていたのは、「何ともならない現実」だった。
あれから10年。今は2,700万円を運用しながら、1,200万円の利益を出せるようになった(内訳:暗号資産+300万円・株式+300万円・確定拠出年金+600万円)。
でも今日話したいのは「成功した話」じゃない。あの頃の家計簿の話だ。恥ずかしいくらい正直に、全部書く。
当時の手取りと支出、正直に全部書きます
2015年当時、手取りは月18〜19万円ほど。残業が多い月でようやく20万円に届くかどうか、というライン。
| 費目 | 月額 | 備考 |
|---|---|---|
| 家賃(1K、都内近郊) | 68,000円 | |
| 食費 | 38,000円 | 自炊ほぼゼロ、コンビニ・外食メイン |
| 交通費 | 8,000円 | 定期代除く |
| 通信費 | 9,500円 | スマホ、大手キャリア |
| 光熱費 | 6,000円 | |
| サブスク・娯楽 | 12,000円 | |
| 飲み会・交際費 | 18,000円 | |
| 被服・日用品 | 8,000円 | |
| 合計 | 約167,500円 |
手取り185,000円として、計算上の残りは17,500円。
だが、実際には毎月ほぼ残っていなかった。
理由は「なんとなく使ったお金」だ。コンビニで気づいたら500円。昼に何となく入ったカフェで700円。飲み会の二次会で3,000円。ひとつひとつは小さい。でも月末に振り返ると、1〜2万円がどこかへ消えていた。
名前のない出費。追いかけることすらしなかった出費。
あの頃の私にとって、お金は「管理するもの」ではなく「気づいたらなくなっているもの」だった。給料日が来るたびに口座がリセットされ、また同じ月を繰り返す。まるで底に穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるような感覚だった。そして最悪なのは、その穴の場所すら知らなかったことだ。
転機は、同僚との何気ない会話だった
2015年の秋。昼休み、同僚のタナカ(仮名)と近くの定食屋でメシを食っていたときのことだ。
「けまりって、もう結婚とか考えてるの?」
「まあ、いずれはね」と答えながら、頭の中で無意識に計算を始めていた。
結婚式の費用——たしか相場は200〜300万円。新居の初期費用が50〜100万円。指輪が30〜50万円。合計すると……軽く400万円は要る。
「今の自分に、それだけの貯金があるか?」
定食の味がしなくなった。
タナカは何も悪くない。ごく普通の会話だった。でも私には、それが静かな爆弾だった。
帰宅後、初めてちゃんと数字を書き出した。収入、支出、口座残高。紙に書いてみると、自分がいかに「なんとなく」生きていたかが、数字という形で目の前に突きつけられた。
食費が多すぎる。スマホ代が高すぎる。そして「なんとなく使ったお金」には、名前がない。
気づいたら、少し泣いていた。情けなくて。でも同時に、「これは変えられる」とも思った。
最初の1年で変えた、たった3つのこと
大きなことは何もしていない。続けられなければ意味がないと思ったから、「絶対に無理しない」をルールにした。
① 先取り貯金を2万円だけ始めた
給料日に自動で別口座へ移す設定をしただけ。残ったお金で生活する、ただそれだけ。
| ビフォー | 毎月の貯金額 ほぼ0円 |
| アフター | 毎月の確実な貯金額 20,000円 |
② スマホを格安SIMに変えた
大手キャリアからMVNOへ乗り換え。手続きは1時間もかからなかった。
| ビフォー | 月9,500円 |
| アフター | 月2,200円(差額▲7,300円/月、年間▲87,600円) |
③ 週2回だけ自炊する「ゆる自炊」を始めた
毎日自炊は無理だとわかっていたので、週2回だけと決めた。食費は少しずつ削れた。
| ビフォー | 食費月38,000円 |
| アフター | 食費月28,000円(差額▲10,000円/月) |
この3つだけで生まれた月の余白は、約27,300円。
そして2015年10月〜2016年9月の初年度、貯金できた合計額は約28万円。
「たった28万円」と思うかもしれない。でも私にとってはゼロからの28万円だった。初めて、数字が「増える方向」に動いた年だった。翌年はその28万円を元手に投資を始め、今に至る。
あの頃の自分に言いたいこと
「口座残高を見ることから逃げるな。現実を知ることが、唯一の出発点だ」
怖くて当然だ。でも見ないかぎり、何も変わらない。
家計簿をつけるとか、節約するとか、投資を始めるとか——そういうことの前に、まず「今の自分のお金の現実」を直視することが全ての始まりだった。
あなたが今、給料日前に口座を見るのが怖いと感じているなら、それはちゃんと変えられる。私がそうだったから。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
もしこの記事を読んで「自分もあの頃こんな感じだった」「今まさにこの状態かもしれない」と思ったら、ぜひコメントで教えてください。
▶ 関連記事:2016年、28万円を元手に初めて投資した話
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